北国の夏は短い

 

それは定説だった

 

 

8月

枯れた色を

そこかしこに含む草木ばかり

虫も蛙も、

なりをひそめたままだった

 

 

まもなく9月

秋の虫の音が、周囲を包む

朝から、地より立ち昇るような熱を受け

虫たちが鳴く

 

 

私にとっても、虫や蛙や草木たちにとっても

 

生まれて初めての

長い夏

 

 

 

 

空青海青(そらお みはる)