~晩夏 サヴァン ~ ⑨

心地よい仲間

大切なKK古参の仲間。

 

この心地よい関係は、

健一との出会いから始まったものだ。

 

健一の魅力に惹かれた者同士、つながったとも言える。

 

「健一の魅力」

それは、今も確かに輝きを放っている。

 

ただ、今、私の中には、「魅力」とはまた別のもの

(それどころじゃないもの)が

大きく立ち上がっている。

 

改めて考えると…。

 

私とは違う流れで

子供時代から健一と関わってきた恵梨や真央は、

また、KK立ち上げ時から相棒のように関わってきた智之は、

健一の特徴を どう捉えているのだろう。

 

ねぎらい

「健一だもんな」で、全てが くくられている?

ような気もするが、

私をねぎらう言葉をかけてくれたりも、する。

 

「健一に四六時中付き合うのは、大変だよね。おつかれさま。」のような。

 

彼らはそれぞれに、

健一の特徴に馴染み?受け止めているように見える。

 

恵梨:「わがままな兄貴分」

真央:「特徴の強い幼馴染」

智之:「要フォロー場面ありだけど、スゴいやつ」

といった感じに。

 

そして、「扱いにくい夫」を持つ私に、

なにかと協力的だ。

 

看過できないもの

となれば、今回の「差出人不明の手紙」から始まる一連のできごと(と言っても、私の内心の変化というだけ)を、

相談してみる?のも、ありなのかもしれない。

 

が、「私から見た健一像」と、

「恵梨、真央、智之から見た健一像」は、

あまりにも違いすぎる気がする。

 

私が現在イメージする健一像は、

とてもじゃないけど「健一だもんな」で

看過できるものではない気がするから。

 

この流れのなかで

幸い(という表現が正しいのか疑問だけれども)、

健一は今、遠くで生き生きと過ごしている。

 

子らも 落ち着いている印象だ。

 

周囲の温かさに助けられ、寂しくもない。

 

一人きりの暮らしを続けているうちに、

なにか、自分が漂白されていくような気分になっている。

 

この流れのなかで、

健一のこれまでについてや

私との関りを、じっくりと 振り返ってみようと思う。

 

 

いしむら蒼

 

サイコパスの妻 2-⑩ ソリスト