遠い目標、封印、暗譜
目標達成日の更新
なまじ、高校2年の冬の(急に成果を得た)記憶が あるものだから、
今現在 予兆がなくても どこかで急にゴールにつけるのでは と思いがちだった。
カレンダーを付け替える度に「今年の終わり頃には(ゴール到達)」、と。
季節の移り変わりを感じる度に、
「夏になったら」「秋の終わり頃には」、と。
誕生月が近づけば、「〇〇歳になる頃には」、と。
根拠に乏しい目標達成の日を、何度も更新した。
設定した目標日になると いっつも
「まだだったな」
「まだまだだったな」
「いつまでかかるのかな」
「生きてるうちに間に合うのかな」、と 思った。
焦っちゃいけない。
粛々と地道に。
焦って不自然な練習をすると、
(ギリギリを攻めて負荷をかけている)手に不具合が起こるから。
封 印
大学入学後まもなく、自分の中にある理想を語るのは控えよう と思う場面があったが、
以降もずっと、それを続けたことになる。
「自分には目指す演奏像があり、地道に練習を重ねています」などと、
誰かに打ち明けたい気持ちはあった。
でも、現状の自分では、ルバートすぎる緩急や、音抜け状態でしか弾けない。
高2の冬の「まわる指」なんか、もう復活しそうもない。
本気で音楽に取り組む人に対しては なおさら説明が難しい気がした。
でも、言ってしまいたい思いに駆られることもある。
結果、妙な切り取り方をしたカケラを口にしては、
ハンパな自分を持て余していた。
聴く人を納得させられる「証拠」を得るまで、封印するしかないと、
何度も思い直した。
「こんなんできます。できる予定です。で、いつできるかわかりません。」
などと言ったところで、誇大妄想狂を認定されるだけなので。
だからずっと、孤独だった
(でも、誰でも、それぞれに 孤独なものかも…
◇世の中には、より深い孤独を抱えている人が いるだろうとも…思う)。
暗 譜
思い通りの運指には全く至っていないが、玉砕覚悟で歌い込みながら 暗譜で弾いてみる。
そうすると指と脳(?)の連結 滞りが、ランダムに生じた。
暗譜で弾けない。
高校生までとは、明らかに違う印象だ。
高校生までは、暗譜で発表会に臨んでいた。
その頃、暗譜は むしろ得意だった。
三か月ほど練習し、計画的に強弱や緩急をつけて 仕上げたものだった。
でも今は、強弱や緩急バランスを その場その場で自由に歌い込みたい感覚が強い(弾けてはいないが…)。
計画的にではなく 自由に。
でも、そうすると暗譜には悪影響だった。
そのキケンを回避するには、自由に歌い込まず、計画的なそれにする…。
もしくは、「まわる指」のみの発動?
どのみちそれは、まずは(暗譜なしで)思い通りに弾けるようになってから
改めて検証することにする。
“歌うシワシワ指が できるまで⑧/12「遠い」” への1件のフィードバック